<Header>
<Author: 王維>
<Title: 渭川田家>
<Format: 五言古詩>
<Year: 1988>
<BookName: 唐詩三百首詳解  上卷>
<Translator: 田部井文雄>
<style: 現代文有假名>
<style2: 日本現代譯文附假名標注>
<TranslatedTitle: 渭川の田家>
<BookPage: 100>
<UsedPage: 1>
<Feature: 0>
<End Header>
<Poem>
斜陽照墟落，
窮巷牛羊歸。
野老念牧童，
倚杖候荆扉。
雉雊麥苗秀，
蠶眠桑葉稀。
田夫荷鋤至，
相見語依依。
即此羨閑逸，
悵然吟式微。
<End Poem>
<Translation>
夕日（ゆうひ）が村里（むらざと）を照（て）らし、狭（せま）い村（むら）の小道（こみち）を、牛（うし）や羊（ひつじ）の群（む）れが放牧地（ほうぼくち）から帰（かえ）ってゆく。村里（むらざと）の老人（ろうじん）は、牧童（ぼくどう）の帰（かえ）りを心配（しんぱい）し、杖（つえ）にすがって粗末（そまつ）な戸口（とぐち）に出（で）て待（ま）っている。

きじの鳴（な）く声（こえ）が聞（き）こえ、麦（むぎ）の苗（なえ）が勢（いきお）いよく伸（の）びており、蚕（さん）は成長（せいちょう）して脱皮（だっぴ）し眠（ねむ）りについていて、桑（そう）の葉（は）も残（のこ）り少（すく）ない。農夫（のうふ）がすきをかついでやって来（き）て、老人（ろうじん）を見（み）て親（した）しく語（かた）りかけ、立（た）ち去（さ）りかねているようすだ。

この風景（ふうけい）を目前（もくぜん）にして、わたしは俗世（ぞくせい）を離（はな）れたのどかな安（やす）らかさが羨（うらや）ましくなり、心（こころ）に深（ふか）く嘆（なげ）いて、あの「胡（こ）ぞ帰（かえ）らざる」という「詩経（しきょう）」の「式微（しきび）」の歌（うた）を口（くち）ずさんでみるのだった。
<End Translation>